シーズヒーターとは

シーズヒーターとは金属製のパイプの中に、電熱線をコイル状にしたものを通し、
金属パイプと電熱線が接触しないように、絶縁粉末を詰めて密封したヒーターのことです。
世の中のほとんどの工業製品の製作過程には熱を加える工程があり、
それらに安全安心なヒーターが使用されています。

シーズヒーターの特長

・電熱線が直接空気に触れないため寿命が長い
・形状は自在に形成できる。
・空気中、真空中、水、薬品、などさまざまな雰囲気で使うことができる。
・金属シースがあるため丈夫で、絶縁されているため被加熱物に直接取り付け可能。
・ハロゲンヒーター等に比べると遠赤外線放出量が約2倍。
・発熱体の腐食などがないので長時間使用可能。
様々な形のシーズヒーター

シーズヒーターの特長

・電気エネルギーが100パーセント熱エネルギーになりますので、効率が良い。
・熱量と電力量が等しいので、計測や管理が非常に容易である。
・そのため、温度コントロールも正確に行うことができる。
・商用電源がそのまま使用できる。
・発熱温度が幅広い低温から高温(限度800℃程度。推奨600℃)まで、多くの雰囲気中、液中において使用可能。
・電熱線が直接空気に触れないため寿命が長い。
・形状を自在に決められる。(最少R18 ※仕上径φ12の場合)
・空気中、真空中、水、薬品、などさまざまな雰囲気、液で使うことができる。
・金属シースで保護されているため非常に丈夫である。
・絶縁されているため直接取り付けることができる。
・ハロゲンヒーター等に比べると遠赤外線放出量が約2倍。
・シース表面にさらに追加効果加工を施すことができる。

 
遠赤効果を最大限に高めたい→遠赤外線加工
酸性液体に対して耐腐食性能を上げたい→テフロン被膜加工
空気中で熱効率を高めたい→エローフィン巻き加工
クリーンルームなどで使用する→電解研磨加工

シーズヒーターの構造

シーズヒーターの構造

1.金属パイプ

電熱線を覆い保護するとともに、熱を効率的に放出する役割をしています。高耐食ステンレスを用います。
用途によって、銅、チタン等も使用します。
また、表面に熱伝導を高める処理を施すこともできます。

2.絶縁材

酸化マグネシウム粉末(Mgo)です。 ニクロム線を金属パイプから絶縁させるため、 パイプ内に充填します。

3.ニクロム線

ニクロムは抵抗値が大きく、電流を流すと 効率的に発熱します。 高品質NCHW線を使用しています。

4.ターミナルピン

ヒーターの電極となる部分です。

シーズヒーターはどこで使われている?

私たちの生活を改めて見回してみると、便利な工業製品であふれています。
それらの工業製品の製造過程では、ほとんどすべてが「加熱」という工程を経て製造されています。
わかりやすく身近なコンビニエンスストアの中を取り上げてみますと、コーヒーサーバーや、ホットドリンク、冷蔵庫、店内調理器具などの温冷蔵機器が最初に目につくでしょうか。

シーズヒーターの用途

また各商品の製造過程では加熱工程はあります。
さらに食品だけでなくペットボトルなどプラスチック容器の製造でも加熱工程は必須です。

シーズヒーターの用途2

更に周りをみると、床材であるセラミックタイルは、高熱で焼き上げられるものであるし、看板の素材であるアクリルは加熱した液体の樹脂を金型に流し込み、時間を掛けて凝固・成型を行うものです。

素材にまで話が及ぶと、塩化ビニール、アクリル樹脂、ポリカーボネード、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのプラスチック素材はもちろん、金属製造、紙の製造、布の製造に至るまで、身の回りにある、ありとあらゆる工業製品は加熱という工程を経て製造されていることがわかります。
加熱には火を使うか電気を使うかの選択肢がありますが、電気その中でも特にシーズヒーターは制御がより簡単で安全ですので幅広い用途で活躍しています。

シーズヒーターその他の用途

・業務用調理器具
・プラントメンテナンス
・医療用高温蒸気発生器
・恒温槽
・ロードヒーティング
・各種プラスティック成形
・サウナ用ヒーター
・乾燥機
・燻製器
・血液解凍用
・プラント配管加熱
・温蔵庫
などがあります。

電熱ヒーター シーズヒーターの歴史

シーズヒーターの語源

シーズヒーターの語源は「刃物のさや」を意味する英語の名詞“SHEATH”と、「刃物をさやに収める」を意味する動詞の“SHEATHE”です。正確には “SHEATHED HEATER”となります。
この場合は刃物の代わりに発熱体であるニクロム線をステンレスなどの金属の保護管にて覆ったヒーターという意味でしょうか。

ヒーターの父 ジュール

ヒーターの父ジュール昔の人は自然に、木と木の摩擦で、火がおこせることを知っていました。
そこを原点に幾世が過ぎ「物に力を加え、仕事をすると熱になる」、「仕事と発生した熱に一定の関係 がある」ことに気づき、熱の本性、エネルギー保存の概念(無からエネルギーは、生まれない。永久機関などは、あり得ない。)を発見したのは、19世紀になってからです。
この、シーズヒーターの原理の大本となるエネルギー理論は、1868年にイギリス生まれのジェームズ・プレスコット・ジュールという人によって発見されました。

ジュールの発見した法則

ジュールの発見した法則は、
「電流によって発生する熱量(Q)は、流した電流(I)の2乗と、導体の電気抵抗(R)に比例すること」。
簡単に言うと、[電気を通す色々な物質に各々同じ量の電流を通すと、それぞれの物質は、物質ごとに決まった量の発熱をする]ということです。
つまり、
必要な熱量(Q)=[電流量2乗]I2×[導体が固有にもっている電気抵抗値]R Q= I2R
という普遍の真理を見つけたことです。

■導体とは
※導体=電気を良く通す物質 のことですが、一般的に電気をよく通す金属と言えば銀、銅、金などがあります。電気抵抗が大きいものは不導体と呼ばれており、紙、ガラスなどがあります。
ヒーターに使う導体はニッケルクロム合金線で、電気抵抗が大きく温度係数も小さく安定している物質です。

シーズヒーターの語源

シーズヒーターの語源は「刃物のさや」を意味する英語の名詞“SHEATH”と、「刃物をさやに収める」を意味する動詞の“SHEATHE”です。正確には “SHEATHED HEATER”となります。
この場合は刃物の代わりに発熱体であるニクロム線をステンレスなどの金属の保護管にて覆ったヒーターという意味でしょうか。

ジュールという人

このジュールという人は1818年のクリスマスイブに、イギリスに生まれました。
学校にはいきませんでした。ごく初期には蒸気機関に代わる新しい動力を探し、当時最新技術だった電池を使ったモーターの実験をしていたそうです。
結果的に言うとこの実験は、動力の効率が蒸気機関を超えられなかったため、開発にはいたらなかったのですが、ジュールの興味は、電気のエネルギーが熱エネルギーに変わり、そののち、ジュールの法則を発見するに至りました。

ジュールの業績

彼は生涯にわたり、電流と抵抗と発熱量を関係づけ、電気的、機械的な仕事の熱への変換を研究しました。
さらに、気体は膨張する際に冷やされるというジュール・トムソン効果も発見しました。
今日の冷房装置の原理です。
彼は、新しい現象の発見が将来どのような応用に結び付くか考えたことはあったでしょうか。
彼の研究は、後にさまざまな応用研究を経て、製品・商品開発され、20世紀の技術として発達しました。
私たちのシーズヒーターもジュールによって発見された法則にしたがってデザイン設計されています。

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